BLOG

起業段階の会社や中小企業の経営において株式を譲渡する際の注意点(2)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

起業段階の会社や中小企業の経営において、株式を譲渡するときの注意点(企業法務(主に会社法、税法)の視点を中心に)を、記事で取り扱っていきます。今回で2回目。

〇ケース4
現在、私は友人Aと会社株式を互い保有しあっている共同事業主です。最近友人Aと経営方針の対立から、共同で会社を経営していくのが困難となったことから、株式を友人Aには株式を買い取ってもらう資力がないので、会社に私の株式有償で買い取ってもらい、経営から手を引きたいのです。

 会社が株式を個人から取得する場合、会社法上の問題が顕在化します。

〇会社法の問題
 ①会社が株式をAから買い取る場合、特定の株主からの取得を株主総会で特別決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の2/3以上の賛成)を経たうえで、自己株式を取得することが必要です。
 ②また、Aの他に株式を保有する株主がいる場合、当該株主にも会社による株式の買取り機会を与える必要があります。
 ③さらに、自己株式取得の財源は、剰余金の分配可能額を限度とする規制があります。分配可能額の計算は難しいのでかならず専門家にご相談をしましょう。
 

〇税務上の問題

(1) 時価で株式を会社に譲渡
譲渡個人に譲渡益相当額の譲渡所得課税 ・分離課税・税率は20% (所得税15%、住民税5%)

(2) 低額で株式を会社に譲渡
 ①時価の2分の1未満の価額で譲渡した場合に、時価で 譲渡したものとして譲渡個人に譲渡所得があるものとする。
 ②譲受法人に時価との差額につき贈与と判断され、益金扱いとなり法人税課税の対象となる。


〇税務における取引相場のない株式の評価

 実務上一般に使われている税務上の株式評価方法は以下のとおりです。

①売買実例あり→最近の実例のうち適正と認められる価額
②類似法人の株式の価額があるもの→当該価額に比準して推定した価額
③純資産の価額(資産の 価額-負債の価額)を株式数で除して算定した価格
④類似業種の会社の株価(国税庁が公表)と配当、利益及び純資産の各金額を対比して算定
⑤10%の配当率を標準として、 配当額から逆算して算定

(注) 上記③④⑤の評価方法をする場合、株式取得者の区分(同族株主かそうでないか)のケースや、 評価会社の規模の区分(大会社か中小会社か)のケースかで、ディスカウトされたりすることもある。

関連記事

新着記事

  1. ​『依頼中の弁護士が業務停止になったら 』 (ア...
  2. 以下の記事です^^ https://souzoku.how-inc.co.jp...
  3. 起業段階の会社や中小企業の経営において、株式を譲渡するときの注意点(企業法務(主に会社法、税法...
  4.  起業段階の会社や中小企業(非公開会社、閉鎖会社)の経営において、株式を譲渡するときの注意点(...
  5.  特許権の登録とは、登録者が、登録出願をした新規の発明を独占的、排他的に利用できることを公に認...