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起業段階の会社や中小企業の経営において株式を譲渡する際の注意点(1)

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 起業段階の会社や中小企業(非公開会社、閉鎖会社)の経営において、株式を譲渡するときの注意点(企業法務(主に会社法、税法)の視点を中心に)を、記事で取り扱っていきます。

 

〇ケース1
  現在、私は会社株式を90%以上保有しています。私には妻と子供がおりますが、相続対策として、私の保有している株式の名義を無償で子供に移したいです。

1 会社法上の問題

 ①株式譲渡承認手続
 ②株主名簿の記載
 ③株券の譲渡(株券発行会社に限る)

 会社法上の問題として、上記①②③の手続きを取る必要がありますが、ケース1のようなオーナー社長ではこれら手続はそれほど問題とならないでしょう。

2 税務上の問題

 無償譲渡なので贈与税の問題です。受贈者に贈与税が課されます。贈与税は所得税や相続税より一般的に税率が高いので注意してください。
・税額計算の基礎となる財産の価額は、 財産評価基本通達に定める方法により評価(相続税評価額)。
・贈与税の最高税率は、課税価格1000万円超で50%となります。

 

〇ケース2
  現在、私は友人Aと会社株式を互い保有しあっている共同事業主です。最近友人Aと経営方針の対立から、共同で会社を経営していくのが困難となったことから、友人の株式を全て有償で、私自身で買い取り、私が単独事業主となりたいです。

1 会社法上の問題

 ケース1と同様。

2 税法上の問題

(1) 時価による株式譲渡のケース
   会社、個人に譲渡益相当額の譲渡所得課税の申告が必要です。なお、課税は、分離課税(給与所得等の所得税とは異なる税率が適用される譲渡益課税のこと)が適用されます。この場合の税率は20% (所得税15%、住民税5%)です。

(2) 時価より低額で株式譲渡
   対価部分は時価による株式譲渡のケースと同様。時価との差額につき株式取得者に対する贈与税が課税される。

 

〇ケース3
   現在、私は友人Aと会社株式を互い保有しあっている共同事業主です。最近友人Aと経営方針の対立から、共同で会社を経営していくのが困難となったことから、株式を友人Aに、有償で、買い取ってもらい、経営から手を引きたいのです。

 今度は、ケース2と逆パターンですが、基本的にはケース2と同様です。 

 

……しかし、友人Aがお金を持っていない場合があります。このような場合は、会社に買い取ってもらうことが考えられます。このケースについては少し複雑になるので、次の記事に譲ります。

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