BLOG

従業員に営業秘密を持ち出されないようにするにはどうしたらいいか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 従業員に営業秘密であることを強く認識させること、営業秘密性を帯びさせること、営業秘密の漏えいを防止すること等の他、機密保持契約(NDA)の締結
  一般に、従業員には、就業規則上・あるいは信義則状の秘密保持義務はあるが、退職した後は、一般的には秘密保持義務はないので、機密保持契約(NDA)の必要性は大きい。

Q 機密保持契約の作成について注意すべきところは?

○①営業秘密の特定について
 営業秘密とする情報を絞り込むこと、営業秘密を、概念、例示、媒体などによって具体的な表現で特定する。
・具体例として、「新技術Aを利用して製造した試作品Bの強度に関する検査データ」 、「Bの製造におけるC工程で使用される添加剤及び調合の手順」 、「(他社である)D社からの業務委託の際に提供を受けた5社以上からの借入れを有する多重債務者のデータ」「Y社から提供されたファイルZのうち○○ページに記載されたラボノートXに記載された情報」など。
・具体的詳細に特定すると、契約書より漏えいすると危険性もあるので、もし、具体的に書いた場合は、秘密保持契約の中に、秘密保持契約を第三者に開示しない規定を置く必要がある。
・営業秘密の正当性・厳密性を担保するため、営業秘密にならないものも書いておく。(例えば、次のものは除くとして、「開示前から、すでに公知であった情報」「開示後、公知となったものの、情報を受け取った者がなんらの責任を問われないような情報」「第三者から取得したが、守秘義務を課せられていない情報 」等。)
 さらに、注意すべきは、営業秘密を特定しないで、「一切の情報」等と営業秘密の定義を書くと、かえって公序良俗違反とされ無効になる可能性がある。
・対象者が従業員の場合、就業規則に従業員の秘密保持義務を明記する。就業規則に書く場合は、対象となる秘密をあらかじめ規定するのは困難なので抽象的な記載とならざるえないが、やむをえない。
・誓約書の差し入れも大事。できれば退職時かその直前、役員就任など。営業秘密入社時。
・従業員の入社後も、営業秘密にアクセスする機会が増える毎に、例えば、特定のプロジェクトを始めたり部署を移動するようになったときは、その前(この時点では営業秘密の内容はある程度具体的に特定可能)や、特定のプロジェクトが終了した段階(営業秘密の内容はより具体的になる。)で、アクセスできる営秘密情報の対象や範囲が変わる都度、秘密保持契約を締結するべき。
・従業員の退社時の契約は、退職者の営業の自由を制約するような、過度な秘密保持契約は無効になります。必要性を超えるものも公序良俗違反で無効になるので注意。
・派遣労働者とは、派遣元事業者と秘密保持契約を結ぶ。

○②相手方の義務の特定の具体例
 具体例として、「営業秘密を目的外に使用することを禁ずる。」「営業秘密を(アクセス権限のない)第三者に開示することを禁ずる。」「媒体の複製禁止」「社外への持ち出し禁止」「適正に管理し、また管理に協力すること」「退職時に、媒体を返還すること」等。

○③秘密保持契約の期間を明示の具体例
 「秘密性が失われたときは企業からの通知義務を課し、問い合わせがあれば誠実に回答する」など。

○④違反した場合の措置を規定。
 法律は、差し止め、損害賠償、謝罪広告などを定めていますので、それでもいいが、従業員との契約では、違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約の締結は、労働基準法16条で禁止されているので要注意。

関連記事

新着記事

  1. ​『依頼中の弁護士が業務停止になったら 』 (ア...
  2. 以下の記事です^^ https://souzoku.how-inc.co.jp...
  3. 起業段階の会社や中小企業の経営において、株式を譲渡するときの注意点(企業法務(主に会社法、税法...
  4.  起業段階の会社や中小企業(非公開会社、閉鎖会社)の経営において、株式を譲渡するときの注意点(...
  5.  特許権の登録とは、登録者が、登録出願をした新規の発明を独占的、排他的に利用できることを公に認...